最近、クレジットカードに付いているからと、
海外旅行保険に入らずに海外旅行する人が増えているようです。
AIUの調査によると、海外旅行保険に入らなかった人に
海外旅行保険に加入しなかった理由をたずねたところ、63.8%の人が「クレジットカードに付いているから」と答えています。
海外旅行保険付帯のクレジットカードが増えたのは事実です。一昔前まではゴールドカードなどのステイタスの高いカードを所有する者だけの特典でしたが、今では一般カードにも広く普及されています。それに、マスコミなどの影響で「カード付帯の海外旅行保険を使わないと損!」というのが常識になってきたこともあるでしょう。
ある意味かしこい行動ですが、どんな補償が付いているかを確認した上で『この補償内容(カード付帯の保険)だけでいい!』と判断した人はごくわずかのようです。前述の調査によると、クレジットカード付帯保険の補償内容を知っているかという質問に対して、「よく知らない」と答えた人は55.3%、「まったく知らない」という人を合わせると60%を超えていました(よく知っていると答えた人は38.6%)。
<海外の医療費は高い>
内容をよく知らずに、海外旅行保険に入らなくていいと判断するのは、たいへん危険なことです。きっと、旅行代理店で入る海外旅行保険と同じ補償が受けられると思っているのでしょうね。でも、カード付帯の海外旅行保険の場合、疾病治療費用、傷害治療費用は手厚いものでも300万円程度。一般カードのなかには、治療費用は最高50万円までとなっているものも多いようです。
しかし、これで十分だと考える方は少なくありません。以前、
「カード付帯の海外旅行保険では治療費用が50万円しか補償されないものもあるんですよ」と、
アドバイスしたところ、「それだけあれば十分じゃないですか!」と、反論されたことがあります。海外の治療費が高いことをご存知の人であれば、50万円では不十分だということを理解していただけるのですが、日本の感覚でいくと、これだけあれば問題ないと感じてしまうようです。海外の医療費は日本に比べて非常に高額になっています。盲腸で入院した場合の都市別総費用は次のとおりです(2005年AIU調べ)。
1位 ホノルル(232万1000円、平均入院期間3〜5日)
2位 ニューヨーク(194万5000円、平均入院期間2日)
3位 ジュネーブ(185万8000円、平均入院期間3〜5日)
4位 上海(136万4000円、平均入院期間7〜14日)
5位 ウイーン(109万3000円、平均入院期間5〜7日)
日本は40万円程度です。ホノルルは日本に比べて、盲腸の手術を受けるのに5倍以上のお金がかかるのです。
海外旅行中に受けた治療は、治療目的の渡航でないかぎり健康保険を使えますが、日本の病院にかかった時のように実際の医療費の3割(3歳以上70歳未満の場合)を支払えばよいことにはなりません。現地の病院で医療費全額を支払って、その後、加入している健康保険に申請して払い戻しを受けることになります。
しかも、海外で支払った医療費の7割が払い戻されるわけではありません。日本の保険診療基準で計算しなおした金額の7割に相当するお金が還付されるにすぎないのです。日本で盲腸手術を受けた場合の相場は40万円程度ですから、その7割の28万円程度が払い戻されるだけ。海外旅行保険未加入者の人がホノルルで盲腸の手術をしたら、200万円以上が自腹ということになります。
また、その国の医療保険に加入していない旅行者の場合、海外旅行傷害保険などで治療費の支払い能力の証明ができないと予約すら受け付けてくれない病院もあるようです。治療費用の補償が少額なカード付帯保険の場合、その点も不安要素の1つとなります。旅行期間や旅行先にもよりますが、治療費用保険金は少なくとも500万円から1000万円は付けておきたいもの。クレジットカードの保険だけでは足りな
い場合は、不足分を海外旅行傷害保険で補っておきましょう。
治療費用を補充する目的で単体の海外旅行保険に加入する場合は、治療費用を基本にしたものを活用するのがオススメです。
AIU「インフィニティ」なら治療・救援費用が『無制限』になっています。
また、クレジットカード付帯保険の上乗せ専用の海外旅行保険をエース保険が取り扱っています
(
トップアッププラン)。
<カード付帯保険の中には、使用に制限のあるものも>
なお、カードによっては、旅行に行く前に使用する旨の報告(手続き)をしなければ補償の対象にならないもの、そのカードで旅行代金を支払った場合のみ有効なもの、カードを作ってから一定期間は免責(補償の対象になっていない)になっているものなどがあります。旅行前に(できれば旅行代金を払う前に)付帯
保険の補償内容や条件をクレジットカード会社に確認することは必須です。